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Research Director Dr. Shinsuke Abe

Dr. Shinsuke Abe

Associate Professor, Department of Aerospace Engineering, College of Science and Technology, Nihon University

(English version coming soon)

――ALEのプロジェクトでは、流れ星の色もコントロールできると聞きました。
「現時点では、リクエストに応じて3種類の色を再現できます。もともと流れ星の色というのは、光る物質の組成と発光温度によって、かなりの部分が自動的に決まってきますので今後は、流星源の質量や形状・構造、発光する際の温度をきめ細かに調整する作業が主になっていきます。
ただし、想定している条件で流星源を放出できれば、狙い通りの形できちんと光らせられる自信はあります」

――一般の人に対して、人工流れ星の魅力を説明するとすれば?
「流れ星の存在は誰でもが知っていますが、目撃した人の数は決して多くありません。おそらく全人口の2割か3割程度でしょう。夜中に目を凝らしながら空を眺め続けるというのは、案外、骨の折れる作業ですから(笑)。でもこのプロジェクトならば、誰でも流れ星を見ることができるし、それをきっかけに宇宙に関心を持ってもらえれば嬉しいですね」

――人工流れ星を媒介にして、今度は宇宙にも目を向けていくと。
「ええ。一般的にはほとんど知られていないのですが、地球には毎日100から300トン、1年間では数万トンから10万トンに及ぶ物質が宇宙から降ってきています。通常、これらのチリは宇宙空間を漂っていますが、大気のある地球と遭遇することで流れ星になる。大気のない月面では見ることができない現象なんです。その意味で地球の大気は、宇宙に漂う流れ星の素の存在を教えてくれる巨大な望遠鏡になっている。流れ星は、宇宙と地球を繋ぐメッセンジャー的な存在だともいえるでしょうね」

――宇宙と地球を繋ぐメッセンジャー。ロマンを掻き立てられる表現ですね。
「人工流れ星の研究は、非常に大きな可能性を秘めています。たとえば地上90キロ程の位置には、鉄やナトリウムの層が常にある。宇宙空間から飛来してきた宇宙のチリが運んできて形成されたものですが、人工流れ星のプロジェクトは、このような超高層大気の研究にも役立ちますし、最近は隕石に含まれて地上に飛来した有機物が、生命の源になったという説も有力視されてきています。人工流れ星は「アストロバイオロジー」とよばれる、このような学説を検証する手段にもなりえるでしょう」